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読影医は不足している!問題点や対策について解説


医療の現場において、CTやMRIなどの画像を解析して診断を行う読影医は不足しているのが現状です。診断の遅れや医療の質の低下などさまざまな問題を引き起こしかねないため、充足させることが急務といえるでしょう。

本記事では、読影医不足の現状や問題点、対策について詳しく解説します。

そもそも読影医とは

読影医は、放射線科医と混同される傾向があります。読影医とは何か、役割とともに詳しく見ていきましょう。

一般的には「読影医=放射線診断専門医」

読影医は、CTやMRI、X線などの医療画像を解析し、診断を行う専門医です。一般的には「読影医=放射線診断専門医」と認識されています。そのため、本記事では「読影医=放射線診断専門医」として解説しています。

放射線診断専門医は、日本医学放射線学会指定の施設で5年以上の研修を行い、試験に合格した医師です。X線検査やCT検査、MRI検査などの各検査の目的や特性などを理解し、的確に画像を分析し、正確な診断を行うことができます。また、症状や疑われる疾患に応じて、適切な検査を選択することも業務の一つです。

放射線治療専門医との違い

放射線治療専門医は、悪性腫瘍や一部の良性疾患に対して、放射線を用いた治療を専門とする医師です。

放射線治療の効果を最大限に引き出すための高度な技術と深い知識を有しています。日本医学放射線学会によって認定され、一定水準以上の放射線科学全般にわたる知識と経験を持つ放射線科専門医が追加で取得できる資格です。

悪性腫瘍や一部の良性疾患に対して放射線治療を計画・実施し、治療前後の管理も行います。腫瘍の位置や形状に応じて最適な照射方法を決定し、手術や抗がん化学療法と組み合わせた総合的な治療計画を策定することが可能です。また、他の専門医と連携し、放射線の安全管理を徹底します。

放射線治療専門医と放射線診断専門医の違いは以下の通りです。

  放射線治療専門医 放射線診断専門医
主な役割 放射線を用いた治療の計画・実施、治療前後の管理 医療画像(CT、MRI、X線など)の解析と診断
認定機関 日本医学放射線学会(治療専門医制度委員会) 日本医学放射線学会
資格取得要件 放射線科専門医資格、2年以上の研修、試験合格 日本医学放射線学会指定の施設で5年以上の研修、試験合格
主要業務 放射線治療、治療計画の策定 画像解析、病変の特定、診断結果の報告、他の医師への診断支援

 

現状は読影医が不足している

日本放射線科専門医会・医会によると、放射線診断専門医は約5,600名、放射線治療専門医は約1,200名であり、医療の現場では深刻な人手不足が問題となっています。放射線科専門医は高度な専門知識と技術を持ち、放射線を用いた診断や治療を担当していますが、需要の増加に対して供給が追いついていません。

このため、診断や治療の質が低下する可能性があり、患者の健康管理にも影響を与えることが懸念されています。

読影医の仕事内容

読影医の仕事内容は、画像診断だけではありません。具体的な仕事内容について、詳しく見ていきましょう。

画像診断(読影)

読影医の仕事の一つは、CTやMRI、X線などの医療画像を解析し、病気の早期発見や治療効果の評価を行うことです。

例えば、がんの早期発見や心臓病の診断において重要な役割を果たします。高輝度高精細モニタを使って画像を詳細に分析し、病変の有無や進行状況を判断します。

小さな腫瘍や心筋の微細な異常を発見するためには、画像の細部まで注意深く観察することが必要です。そのため、読影医の知識や技術が診断の精度に大きな影響を及ぼします。

IVR(Interventional Radiology

遠隔読影医は診断だけでなく治療にも関与します。IVRは画像ガイド下で行う治療手技のことで、血管の閉塞を治療するステントの挿入や、腫瘍への薬剤注入などがあります。

従来の外科手術と比べて体への侵襲が少なく 、患者の回復が早いことが特徴です。

撮像指示と造影剤の投与

読影医は撮像の際の指示や造影剤の投与も担当します。造影剤を投与し、腫瘍の明確な画像を得ることで、より正確な診断が可能になります。適切な画像を得るためには、正確な指示と適切な造影剤の選択が重要です。

また、副作用が起きた際の対応や撮影部位に応じた検査方法の指示なども行います。

読影医不足による問題点

読影医の不足は、医療現場においてさまざまな深刻な問題を引き起こしています。以下に、その問題点を詳しく見ていきましょう。

診断が遅れる

まず、読影医が不足すると、画像診断が遅れて病気の発見や治療が遅れるリスクが高まります。

例えばがん患者の場合、早期発見が治療成功の鍵となりますが、診断が遅れることで治療の選択肢が限られてしまったり、患者の予後が悪化したりする可能性があります。

また、心筋梗塞や脳卒中などの急性疾患でも迅速な診断が求められるため、読影医不足は患者の生命に直接影響を及ぼしかねません。

負担増加による精度の低下

少数の読影医に仕事が集中すると、過労による集中力の低下が診断精度に影響を及ぼす可能性があります。過剰な業務負担は、ミスや見落としのリスクを高め、適切な診断や治療が遅れることにつながるのです。

例えば、1人の読影医が1日に数百件もの画像を解析する状況では、細部まで注意を払うことが難しくなるため、誤診のリスクが高まりかねません。

新しい技術や機器の導入に遅れが生じる

人手不足の状況では、新しい技術や機器の導入が難しくなります。読影医が忙しすぎると、研修や新しい機器の操作習得に時間を割くことができず、結果として最新の医療技術を活用した診断や治療が遅れることになるでしょう。

例えば、AI技術を用いた画像診断支援システムの導入や、最新の高解像度画像撮影機器の操作習得が遅れることが予想されます。読影医の負担を軽減するためのシステムを導入したくても、導入にかかる労力を割く余裕がないという悪循環に陥ることになりかねません。

読影医不足を解消する方法

読影医不足の問題を解決するためには、いくつか効果的な方法が考えられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。撮影からデータ受信までの流れを理解しておく必要があります。

遠隔画像診断支援サービスを利用する

遠隔画像診断支援サービスは、医療画像(CT、MRI、X線など)をインターネットを介して読影医に送信し、画像診断を行って診断レポートを返却するサービスです。

・メリット

遠隔画像診断支援サービスを利用することで、読影医が不足している医療機関でも、遠隔地にいる高度な知識と技術を持つ読影医による画像診断が可能となります。

例えば、北海道の離島の診療所でも、東京にいる専門医の診断を受けることが可能です。

また、読影医の負担が軽減し、結果的に医療の質の向上につながるでしょう。

・注意点

遠隔画像診断支援サービスを導入する際にはいくつかの課題があります。

まず、データの通信環境の確保が不可欠です。高速で安定したインターネット接続がないと、画像データの送受信が遅延し、診断スピードに影響を及ぼします。
また、通信中のデータが漏洩しないよう、強固なセキュリティ対策が求められます。
さらに、患者のプライバシー保護も重要です。患者の医療情報が第三者に漏れないよう、適切なデータ管理とアクセス制御が欠かせません。

これらの課題を解決するためには、医療機関が適切なシステムを導入し、スタッフがセキュリティやデータ管理の重要性を理解し、適切に運用する必要があります。

・導入の流れ

遠隔画像診断支援サービスを導入する際は、まずサービスの提供会社から見積もりを取り、現地調査を実施します。既存のネットワーク環境やDICOM通信設定の確認などが行われたら、必要な機器(画像送信用PC、プリンタ、スキャナ、VPNルータなど)を準備しましょう。

準備が完了すれば、遠隔画像診断支援サービスの利用を開始することができます。

魅力的な労働条件を整える

読影医の労働条件を改善し、魅力的な職場環境を整えることで読影医不足を解消できる可能性があります。

まず、給与の見直しが重要です。読影医は高度な専門知識と技術を持ち、その責任も大きい職種です。市場の需要と供給のバランスを考慮し、十分な給与を用意しましょう。このとき、周辺の医療機関の給与と比較した上で決めることが大切です。

さらに、働きやすい環境を提供することも重要です。最新の医療機器や快適な診断室、十分なサポートスタッフを配置するなど、読影医の負担を軽減しましょう。

また、キャリアアップの機会を設けたり、定期的に研修を実施したりと専門性を高められる環境を用意することも大切です。

まとめ

読影医の不足は、診断の遅れや医師の負担増加など、さまざまな問題を引き起こします。これを解消するためには、遠隔画像診断支援サービスの導入や労働条件の改善が必要です。読影医の役割の重要性を再認識し、医療体制の強化を図りましょう。

iMedicalの遠隔画像診断支援サービスは、4つの大学病院と連携することで豊富な知識と高度な技術を持つ読影医を確保しており、一時的に依頼が増加しても安定した品質の診断が可能です。

新たに開始した「スマート読影 i-Radi ZERO」では、初期費用を抑えつつ、必要なときにのみ読影依頼ができます。遠隔画像診断支援サービスの導入を検討する際は、お気軽にご相談ください。

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