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遠隔画像診断 コラム

遠隔画像診断支援サービスの導入方法は?メリット・費用なども解説



近年、読影医不足が深刻化する中で、遠隔画像診断支援サービスの重要性が一層高まっています。都市部に集中する高度な医療リソースに対し、地方や過疎地域では読影医の不足が顕著です。

遠隔画像診断支援サービスは、地方や過疎地域に住む患者にも高度な画像診断を提供できる他、読影不足を解消する方法として注目されています。

本記事では、遠隔画像診断支援サービスの導入方法やメリット、コストなどについて詳しく解説します。

遠隔画像診断支援サービスとは

遠隔画像診断支援サービスは、医療機関で撮影された画像データ(CTやMRIなど)をインターネットを通じて遠方の読影医に送信し、画像診断をした上で診断レポートを返却するサービスです。

遠隔画像診断支援サービスは法人が運営しており、複数人の読影医に依頼できる体制を構築していることが通常です。読影の依頼から診断レポートの返却までにかかる時間はサービスを運営する法人によって異なります。 

画像診断の現状

画像診断においては、CTおよびMRIの設置数に対して検査機器の稼働率が低いことが現状です。

厚生労働省の「医療機器の効率的かつ有効・安全な利用について」によると、2014~2018年にかけてCTおよびMRIの設置台数が増加しているのに対し、1台当たりの検査数はCT検査とMRI検査どちらも200件前後と、先進国の中で最も低い数値で推移しています。

一方、先進各国の中で検査機器の稼働率が最も高い国はフランスで、CT検査が800件以上、MRI検査で600件以上と、高い使用頻度を維持しています。

出典:厚生労働省「医療機器の効率的かつ有効・安全な利用について

遠隔画像診断支援サービスを導入するメリット

遠隔画像診断支援サービスの導入を検討する際は、そのメリットを理解しておくことが大切です。導入にはコストがかかるため、効果・メリットと比較した上で最終的な判断をしましょう。

遠隔画像診断支援サービスを導入するメリットは次の通りです。

読影をダブルチェックできる

遠隔画像診断支援サービスを導入するメリットの一つは、複数の医師によるダブルチェックが可能になることです。画像診断は他の診断と同様に正確性が求められるため、可能であれば複数の医師による確認が望ましいとされています。

ダブルチェックによって、1人目の確認で見逃された所見を2人目によって発見できる可能性が高まり、診断ミスが減少する上に患者からの信頼感も増すでしょう。

読影医不足を解消できる可能性がある

日本では、読影医の数に対してCT検査やMRI検査の年間実施件数が多く 、2015年度には人口1,000人当たりCT検査が229.2件、MRI検査が113.4件実施されました。放射線科医1人当たりの潜在的業務量は8,137件に達しており、読影医不足が深刻な問題となっています。

特に、地方の小規模な病院では放射線科医の数が限られている傾向があり、画像診断を迅速に行えないという課題を持つ医療機関もあるでしょう。遠隔画像診断支援サービスを導入することで、遠隔地にいる専門の読影医に画像を送信し、読影を依頼できるようになるため、地方の病院の読影医不足の解消につながると考えられます。

出典:日本医学放射線学会「CTおよびMRI検査における放射線科医の 潜在的業務量の国別および日本の地域別の差異

遠隔画像診断支援サービスが向いている医療機関



遠隔画像診断支援サービスの導入は、導入コストに対して効果・メリットが大きい医療機関に向いています。ここまで解説した内容も踏まえて、遠隔画像診断支援サービスが向いている医療機関について詳しく見ていきましょう。

読影医が不足している

読影医が不足している医療機関は、遠隔画像診断支援サービスを利用して外部の放射線診断専門医の手を借りることで、診断の質を維持しつつ診療体制を強化することができます。また、患者の待ち時間の軽減にもつながるでしょう。

読影医が育つ環境が整っていない

読影医を育成する環境が整っていない医療機関でも、遠隔画像診断支援サービスを利用することで、即戦力となる読影医に画像診断を依頼することができます。放射線診断専門医を育成するための教育プログラムや研修機会が少なく、人材が育ちにくい環境であっても、遠隔画像診断支援サービスを導入することで高いスキルを持つ読影医による画像診断が可能です。

遠隔画像診断支援サービスの導入手順

遠隔画像診断支援サービスの導入手順は下記の通りです。

 1)問い合わせ
 2)システムの決定
 3)見積もり
 4)導入・初期設定など

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1)問い合わせ

まずは、遠隔画像診断支援サービスを提供している会社に問い合わせます。問い合わせ時には、導入を検討している旨を伝えましょう。
サービスの内容、対応可能な検査種類、サポート体制などについて詳しい説明を受けるとともに不明点を確認し、資料やパンフレットを取り寄せます。

問い合わせ先は複数でも1社でもどちらでも可能ですが、提供会社によってサービス内容が異なるため、最適なサービスを選ぶためにも複数社を比較することが大切です。

2)システムの決定

遠隔画像診断支援サービスを選定したら、打ち合わせを経て導入するシステムを決定します。

例えば、どの検査(CT、MRI、X線など)に対応するプランがよいか、必要なインフラ(インターネット回線、専用端末など)の確認、システムの機能(リアルタイム読影、AIサポートなど)について、さらに詳しく打ち合わせます。

読影結果の返却速度や対応時間(例:夜間対応、緊急読影の対応など)によって料金が異なる場合があることに注意しましょう。
また、システムを円滑に運用できるように、トラブルシューティングや各種サポートが充実している会社を選ぶことが大切です。

3)見積もり

システムが決定したら、見積もりを依頼します。見積もりから初期費用やランニングコストを確認し、予算との兼ね合いを考慮しながら検討しましょう。

コストには、システム導入費、月額利用料、読影1件ごとの費用などがあります。初期費用無料で月額料金がかかるプランや、1件ごとの利用料金が設定されているプランなど、提供会社によって料金体系が異なります。

4)導入・初期設定など

見積もり内容に納得したら、契約を交わしてシステムを導入します。システムのセットアップ、ネットワークの設定、必要なソフトウェアのインストールなどを行います。

通常、サービス提供事業者がサポートがあるため、社内にIT人材がいなくても円滑な導入が可能です。

遠隔画像診断支援サービスの費用相場

遠隔画像診断支援サービスの費用相場は、初期費用とランニングコストに分けられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

初期費用

遠隔画像診断支援サービスの初期費用は、依頼送信端末機能や院内システムとの連携構築内容により異なります。
院内PACS DICOM画像連携と院内レポート連携、自動依頼連携のそれぞれの相場を解説します。

院内PACS DICOM画像連携は、検査画像を保存した院内PACSから画像を取得するためのシステムで、送信側の依頼端末と院内PACSの双方に料金が発生します。1接続につき15~50万円程度が相場です。

院内レポート連携は、外部の読影医による報告書を院内システムへ反映するためのものです。導入コストに加えて各種設定が必要となり、合わせて約50万円~100万程度の費用がかかります。

自動依頼連携は、端末を操作することなく電子カルテシステムなどから読影依頼ができる仕組みです。各種設定を含めて、80~200万円程度が相場です。

これらに加えて、以下のコストもかかります。

・依頼送信端末(必要に応じて)
・LANポートが2つ搭載されたPC(院内システムと連携する場合)

コストを抑えたい場合は、手動操作を選択し、院内システムと連携しないことを検討しましょう。

ランニングコスト

ランニングコストには、システムの維持費用や読影サービスの利用料金があります。利用するサービスの種類や契約内容によって異なりますが、月額で数万~数十万円程度が相場です。ランニングコストの内訳とそれぞれの相場は下記の通りです。

費用項目 内容 相場(円)
読影費用 1件ごとの画像診断費用 2,000~3,000円前後
部位加算 複数部位の同時読影に加算される費用 1,000~3,000円前後/部位
スライス加算 一定枚数以上の読影に対する加算料金 500円~
時間外対応料金 緊急対応や時間外対応の追加料金 500円前後/件

遠隔画像診断支援サービスの費用について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
遠隔読影の費用相場はどれくらい?費用の内訳も解説

まとめ

遠隔画像診断支援サービスの導入方法やメリット、費用について詳しく解説しました。遠隔画像診断支援サービスは、読影医不足や読影医が育つ環境が整っていないといった課題のある医療機関に向いています。導入の流れや費用について確認した上で、遠隔画像診断支援サービスの導入を検討しましょう。

iMedicalの遠隔画像診断支援サービスは、4つの大学病院との連携により高度な読影医ネットワークを構築し、受注数が増加しても品質を保つタレントマネジメントシステムを導入しています。

PACSからの直接依頼やレポートシステムへの自動取り込みなど院内システムとの連携もご提案もしております。さらに、CTやMRIをはじめとする多様なモダリティに対応し、専門性と精度の高い読影報告を提供いたします。

また初期費用を抑えた提案も可能なので、遠隔画像診断支援サービスの導入をご検討の際は、お気軽にご相談ください。

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